ハワイに二週間、一人で旅行に行きました。23歳の頃です。社会人に疲れて、次第に休日は家でこもりっきりで過ごすようになったため、思い切って休みをとり、ハワイへ飛びました。知り合いがいるわけでも、英語が得意なわけでもないのですが、なんとなく思い立ってハワイに決めました。ひとりで動くのが好きで、国内だと先日はホリデー日帰り旅行にひとりで参加しました。バスツアーなのでひとりで参加しても、のんびり観光ができてとても楽しかったです。他にはひとり温泉なども何度も行っています。

ひとり旅が慣れてくると、友人と行くのが少し面倒になります。海外への一人旅でさすがに母は心配していましたが、こまめに連絡するから、と約束しました。季節は10月後半。ちょうどハロウィンに被せて行きました。ワイキキのちょうど中心あたりにある、大きめのコンドミニアムに泊まりました。Wi-Fiや洗濯機、プールやジムなどもついていました。

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観光は主にワイキキ、レンタカーを借りて、カイルアやノースシュアの方まで行ったりもしました。ダイヤモンドヘッドがある方の高級住宅街の方も、朝方に散歩に出かけたり、マノアにある滝を見に行ったり。小さな島なので、やっぱり自然を満喫するのが良いと思い、山と海、両方に行きました。

食事はウォールフーズやドンキなんかで野菜を買いだめして外食はなるべくしませんでした。カロリーが高いし量も多く、特にワイキキのレストランにはひとりでは入りづらいです。角の方へ行くと、日本人が経営しているお弁当屋さんがあるので、そこには何度か買いに行きました。ハワイでの移動はワイキキ内は歩き、それ以外はバスがメインでした。バスでどこでも行けるので、バスパスみたいな(日本でいう定期券)を利用していました。

何より、海を見るのが楽しかったです。すごく綺麗で。面白かった出来事は、宿泊していたコンドミニアムについていたサウナでの出来事です。その日、サウナに入ると中国系の方が先に入っていました。褐色の肌に、筋肉質で、運動が好きそうな活発なイメージの人でした。彼女は人懐っこい顔で「暑いね!」と声をかけてきました。「学生?旅行?」と聞かれたので、私もつたない英語で返していました。

暑さで朦朧としていたので、なんだか文法とか発音とかどうでもよくなって、かなり適当に話していたと思います。ジャスチャーや効果音で伝えたりもしました。相手もわかったのか、わかってないのか、でもわかってくれたみたいで、もう、それよりとにかく暑いので。でも、あのずいぶん適当なコミュニケーションが楽しいと思ったのは覚えています。なんだかんだで、一人旅はいけるな。と感じたキッカケでもあります。なぜだか、言葉が通じる日本よりも、言葉の通じないハワイの方が他人と話している、というのが面白かったです。

少し離れた場所にあるアウトレットへ買い物に行った時のことです。帰りが遅くなってしまい、気付くとあたりは真っ暗になっていました。この日の移動はバスで、私は帰りのバスに乗っていました。怖かったのは、途中でチャイナタウンを通ったことです。そこは、昼とは雰囲気がガラリと変わっていて、ホームレスの方がたくさんいました。

車内には、私とその他数人しか乗っておらず、しんと静まり返っていました。だれも喋っている人はおらず、どこか常に周りを見張っているようなピリついた空気があったのを感じていました。よくわからない怖さで、どうも、何が原因だったのか今でもわかりません。どんよりとした暗い陰湿な雰囲気と、どこか冷たい温度感で私は息をするのも音を立てないように静かにしたくらいでした。

やがてワイキキ内に到着すると、まだ人がたくさんいて、お店の明かりなんかもあってガヤガヤしていたので、そこでようやくホッとできました。何もなかったのですが、あのピリついた空気感が忘れられません。やっぱり夜の外出は控えた方が良いです。特に女性の一人歩きは大変危険です。暗くなる前に帰宅するよう、もう少し気を付けるべきでした。